共通テスト前の冬には、現役生なら得点力が1日1点は増すなんて言われます。共通テストで安定した高得点をとるためには、各教科への深い理解と独特のマーク問題に対応するための十分な演習が必要ですが、本番直前、または模試直前になって今すぐ使えるテクニックはないのか…?
あります。
ここでは、本番9割ごえのぼくが、実際に使ったテクニックやコツをお届けします。
今回は数学Ⅰ・A編。

全体を通していえる心構え
・前とのつながりの意識
共テ数学は最後の設問に向けて穴埋め形式で進んでいくことが多いです。いきなり突飛な式や考え方が出てくることは少なく、今までの流れを読みそれまでの結果を利用すれば解けていきます。もし詰まってしまったら、それまでの設問で何をやってきたのか立ち返ることで次の道が見えやすくなります。
・計算を惜しまない
穴埋め形式なこともありラクをしたい気持ちは分かりますが、最も確実に答えを得る方法は自分で計算することです。複雑な計算は少ないので、数学の本質である計算を地道に行いましょう。「なんとなく」「だいたい」は早いですががときに危険です。
図形問題
・大きい絵をかく
長ーい設定文から正確に情報を取り出し、まずは分かっている部分の絵をかきます。後で書き込む情報が増えてくる可能性が高いので、なるべく大きめの絵にするとよいです。絵をかき直すなんてことになれば大変なタイムロスです。
・正確な絵
絵をかく作業は基本こちらに求められています。注意したいのは、「直線」「線分」「辺」など正確に区別してかくことです。ここで間違えると話が全部変わってきてしまいます。
・常にメネラウス、チェバ、方べきを意識
この3点セットは、慣れるまでは意識しておきましょう。過去問・模試ともに頻出です。特に辺の比やその積が登場しているときは怪しいです。それでも詰まったら相似を考えるなど、共テでの頭の使い方ができてきます。円が絡んでくると方べきとか、円の中心を直線が通るのなら垂直ができるとか、毎度のパターンに慣れてくるはずです。また相似関連で辺の比3:4:5や1:2:√5が登場すればこれは直角三角形の比であり、この比を見たら「次は直角を使うんだな」とイメージして欲しいです。
・意味深な式は後で使う
解いていて意味の分からない式を導出したと思ったら急に次の話題に移ることがありますが、こういうときは、今出した式を後々使う可能性が高いので意識しておきます。実際に後で詰まったときに、先ほどの式を利用できないかと考えてみるのです。
確率
・初めの簡単なパターンを後で利用する
はじめ数問は書き出して数えても分かるレベルの簡単な問題で、はじめの考え方で進むというのがよくある形式です。はじめから、なぜそれで答えが出るのか真剣に検討しながら進めるべきです。常に、前で求めた確率を利用できないか考えながら進みます。
・余事象の利用
意外と忘れがちなのですが、余事象が多くないなら積極的に利用しましょう。とてもラクになることがあります。
・確率の大小比較
いくつかの確率を出して、最後にその大小を比較する際には、まず通分を考えるのがスタンダードですが、通分が大変そうなときは分数を計算して少数にすることですんなり比較できることがあります。ただ割り算するだけです。
シメ
・シメに条件付き確率が出てきがち
共テ確率あるあるである条件付き確率が控えているかもしれないので、先を読み心の準備をしておきましょう。
データの分析
・相関係数問題
与えられたデータをもとに自分で相関係数を計算してみるという公式を覚えるだけの定番問題が何度も出題されています。このとき、相関係数は−1から1の範囲内であることを知っていると、ありえない選択肢は計算するまでもなく消せます。
・相関係数から散布図を選ぶ問題
相関係数の数値をもとに、データに合う散布図を選ぶ問題がありますが、相関係数だけでは決めきれない場合があります。このときは必ず別の決定的な情報があるはずなので読み取ってください。
・散布図を選ぶ問題
表などをもとにデータに合う散布図を選ぶ問題では、まず異常な値に注目、次に四分位数や平均などから絞っていくと良いでしょう。
見直しの極意
見直しでは、極端な場合で考えることが非常に有効です。辺の長さを0に近づけた場合、試行回数を極端に増やした場合などを試してみましょう。また、正確な絵をかけば辺の長さなどはだいたいイメージできますし、確率や、先ほど触れた相関係数にも決まった範囲や常識的な限度が存在します。この範囲から逸脱しているようなら計算し直し確かめる価値はあります。このような知識や感覚をフル動員してミスがないか確認しましょう。
また、記述式とは異なりとりあえず答えが出ればいいので、途中経過は雑でもいいです。記述なら減点対象になるような論理の破綻とか関係ないので、臨機応変にショートカットしましょう。
じゃあ頑張って!!!



