東大理系の有力な併願先をガチ考察

hiyoko

国立医学部医学科1年生。2025年度入試で地方の公立高校から某地方国医に現役合格(後期入試)。現在は学業の傍ら、ビジネスやボランティアにも関心を持ち活動しています。ブログを通して医学生の日常や合格までの勉強法などお届けします。受験生時代は主にZ会の通信教育、東進衛星予備校、東進東大特進で学習。

hiyokoをフォローする
※当サイトではアフィリエイト広告を利用しています。
※アフィリエイト広告を利用しています。

 誰もが知る日本一の大学、東京大学。歴史ある東京都心のキャンパス。各界で活躍する卒業生たち…。私も東大を目指すロマンにとりつかれた一人です。しかし、東大入学を夢みて足切り突破し、ついに二次試験にたどりついた受験生のうち、半数以上が不合格となるという現実があります。例えば理科二類は足切り後倍率が3倍ですから、合格者たちの喜びの声の裏には、その2倍の不合格者たちがいます。東大落ちの彼らはその後どうするのでしょうか。東大の夢を絶たれてそれでももう一度!(浪人)の人もいれば、私立や国公立後期に進む人もいます。ここでは、前期東大理Ⅰ・Ⅱ受験者の併願戦略について実際落ちた人が考察していきます。

東京大学本郷キャンパス

東大一本受験

これは相当自信がある人、または浪人してでも東大にこだわる人にみられます。特に現役生であれば1浪やむを得ずと考える人はいます。私立の対策が不要で、余計なことを考えず東大だけに集中できます。私立を受けるとなると、滑り止めとはいえ過去問くらいは見ておきたくなりますし、試験を受けに行く負担もあります(特に地方勢に東京の私立は負担が大きい)。私立に気をとられて本命の東大に影響するのは嫌ですよね。ただし、浪人ありきの受験にはならないように気を付けてください。

早慶理系

私立の代表的な併願先が早稲田大学慶應義塾大学です。早慶は東大や京大、東工大、一橋大、医学部の滑り止めとなることが多く、東大理系落ちも多数進学します。慶應理工は横浜、早稲田理工は新宿にあり、首都圏勢には選択しやすい立地です。河合塾偏差値では私立理工系トップを張る2校です。偏差値は地方旧帝大の理工系に匹敵するともいわれます。東京理科大同志社大理工を受ける人もみました。どちらも名門ですが、早慶と比べると偏差値や知名度で劣るように感じます。理科大、同志社は共通テスト利用入試があるので負担が少なく、共テでボーダーを超えるようなら押さえておいてもいいでしょう。また、薬学系志望なら慶應薬もあります。私立理系のデメリットは、とんでもない学費が必要なことです。国公立の理系は文系と同じ学費なのに高価な設備が使えてオトク!といわれますが、私立の場合は普通に理系の方が学費が高いので、特にお得感はありません。上京勢ともなるとなかなかしんどいので、僕は学費の都合で早慶なら理系は断念するつもりでした。また、私立大学なので内部進学生や指定校推薦も大きな割合を占めています。しかし東大落ちも多く在籍し、首都圏で理系を続けることができるので人気があるようです。実家から通うことができれば、ある程度学費も浮きます。早慶理系には共テ利用がないので東京まで受けに行かないといけませんが、東大前期の練習にもなります。スケジュール感はあまり良くないので疲れないように注意してください。本命は東大です。

早稲田大学西早稲田キャンパス
慶応義塾大学矢上キャンパス

早慶文系

これも案外よく見られる併願です。東大理系を目指している人の中には、「将来やりたいことは決まっていないのでとりあえず東大」だとか、「進振りで文転もできる」と考えて志望している人もいます。特に理工系にこだわらないのであれば、私文最高峰とされる早慶文系を併願しておくのも選択肢です。実は私もその一人で、慶應経済A方式を受けました。早大では政治経済学部、慶大では経済学部や法学部がいわゆる「看板学部」とされ、人気があります。ただし理系受験生はふつう、社会科目は共テ用に1科目のみを薄くやっていることが多いので、受験できる学部は限られます。受けやすいのは、慶應経済A(英・数・小論文(小論文は将来的に廃止予定))、早稲田政経共テ利用早稲田政経共テ併用早稲田商あたりです。早稲田には共テ利用入試があり、共テだけで早稲田政経をとれるとあって、難易度は私文トップとなっています。2025年の河合塾のボーダーは92%です。慶應は共テ利用はありません。

早稲田大学早稲田キャンパス
慶応義塾大学三田キャンパス

デメリットとしては、私立のデメリット(内部進学や推薦の多さ)、学費(理系ほどではないがやはり高い)、理系を捨てることになることでしょうか。東大理系からは落差が大きめかもしれません。一般入学者は難関国立落ち勢が多いといえど、共テも関係ない軽量入試であるためいわゆる私文志望勢もいます。文転してもう一年やれば東大や京大、一橋大だって…と思う可能性はあります。ただ、実際に多くとられている選択でもあります。早慶も名門ですので、その辺を割り切れればいい選択肢です。また、浪人回避なら下位学部も受けます。

後期旧帝大理系

残念なことに、後期入試を実施する国公立大学は減少傾向です。私は日本の受験システムに強烈な不満をもっているのですが、ごちゃごちゃいっても仕方ありません。京大、阪大、東工大は後期入試を廃止しました。それでもいくつかの有力な大学で残っています。一般に、後期には前期でワンランク上の大学に落ちた受験生が小さな枠に殺到するので、同じ学部学科でも前期より後期のほうが難易度は上昇します。理系で旧帝大を狙う最後のチャンス(救済措置)でもあります。東北大、九州大、北海道大で実施されています。首都圏勢は地方に住むことになるので、受かっても早慶と迷うという話も聞きます。しかし、個人的には理系で旧帝大は学校の格で考えても強いでしょう。ただし、自分が入りたい学科があるか、募集人数はどのくらいか確認してください。あまりに小さい枠だとボーダー付近で運ゲームになります。また、旧帝大以外で筑波大、横国大、神戸大あたりも東大理系の併願先になると思われます。東大や旧帝からは落差があるようにも感じますが、このあたりなら納得ラインです(僕はね)。浪人できない、したくない場合は有力な選択肢になるでしょう。やっぱり国立ですよ。

後期国公立文系

理系が受験可能な文系後期だと、一橋大経済、一橋大SDS、東北大理系経済が有名です。こちらもかなりの高難度を誇ります。

後期医学部

実は僕もこの口です。正直に言うと、この記事は後期医学部の選択肢を示したくて書きました。私は前期で東大か医学部か迷った挙句東大を受けに行きましたが、落ちて後期で医学部に流れるのは、案外アリな選択だと思います。医学部を選べるのは理系の特権です。理Ⅰ併願先ランキングの上位に山梨医がランクインしていました。メリットはもちろん医者になれることです。東大に落ちたというコンプレックスも、別業界なのであまり関係なくなります。
後期医学部入試には大きく分けて2種類あって、ほぼ共テで決まる(共テ+面接+小論文)大学と、二次試験比率が高い大学があります。前者は東京科学大、名古屋大、山形大、浜松医大、三重大、福井大など、後者は千葉大、山梨大、奈良県立医大などです。前期と比べると選択肢はかなり減り、地方の大学が多いので首都圏からは離れる必要があるかもしれません。デメリットは前期と比較した難易度上昇、定員の少なさです。定員が少ないと自分より上の方々が進路選択をどうするかによって合否が決まってしまうため、ボーダーライン付近では要素が大きくなります。前期で旧帝大医学部落ちや、なんなら理Ⅲ落ちとの勝負になります。他にも医歯薬系では、東京科学大歯千葉大薬もあります。

仮面浪人

大学入試の趣旨に反するのであまり堂々と推奨されることはありませんが、制度上、仮面浪人も可能ですし実際に成功させた人もいます。しかし、僕の身近を見る限り成功率は低いと考えています。最終手段ではありますが、頼りない手段だと思います。メリットとしては失敗しても大丈夫(在籍校に残れる)なことです。浪人の精神的苦痛はある程度回避できます。デメリットは、中途半端になることです。大学受験で重要なことは、自分の納得感だと考えています。仮面浪人は大学受験、大学での学業、学生生活、部活サークルのどれも中途半端になります。その受験でもし落ちた時納得できるのか、僕は微妙だと思います。少なくとも、受験前でありきにするような選択ではありません。

結局あなたは…

まずは東大合格すれば全く問題はないのですが、このように事前に戦略を練っておくことは人生を大きく左右します。ぼくは後期でどこを受けるかしっかり悩んでおいてよかったと思っています。結局は、もし東大に落ちた場合あなたが何を優先するかということです。
あなたは何をやりたいのか、どこまで割り切れるか、大学生活の楽しさと卒後の利益のどちらを優先するか、金銭面の問題、または浪人できるかなど、よく考えて総合的に判断するほかありません。やり直しはきかないので後悔のない決断をしましょう。