国公立後期試験が廃止されていく理由の裏側を徹底考察

hiyoko

国立医学部医学科1年生。2025年度入試で田舎の公立高校から某地方国医に現役合格。現在は学業とブログでの発信に関心を持ち活動しています。ブログを通して医学生の日常や合格までの勉強法などお届けします。東進衛星予備校、東進東大特進(5教科特待)、Z会(通信教育)を利用していました。

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こんにちは。プロフィールの通り後期試験に救ってもらい、今大学生をしている僕ですが、最近のトレンド(といってもここ10年以上)として、国公立後期を行う大学減少しています。僕を救ってくれた医学部後期も、最近新たに山形大や佐賀大が廃止(の予定)を発表しました。
そもそも、十数年前には全ての旧帝大や東工大でも後期試験をしていたのに、今や東大や京大阪大は一人たりとも受け入れてくれません。後期試験は前期失敗勢の救済措置の側面もあるのに、バシバシ廃止されていくのはなぜでしょうか。入試の効率化のため?徹底的に考察します。

理由1:後期入学者が仮面浪人する

後期はふつう前期より難易度が高く、レベルが上の大学に落ちた人が後期で下の大学に入ってくることが多いため、第一志望ではない大学に少し「不本意な入学をすることになるので、在学しながら第一志望合格を目指す仮面浪人が発生しやすくなります。実際に、僕の周りにも仮面中の後期組はいます。確かに僕自身も一瞬「仮面…」はよぎりました(すぐに断念)。大学としては、仮面されるのは喜ばしくはないでしょう。

理由2:後期入学者の成績が悪い?

全体の傾向として、後期入学者は前期や推薦の入学者と比べて大学入学後の成績が良くないのではないかという話があります。後期入学は、理由1に書いた通り、第一志望ではない「不本意」入学なので、モチベーションの面で前期や推薦に劣りますし、仮面もよぎります。このモチベーションの差により、いくら後期入学といえども前期や推薦組との入試時の偏差値の差は埋められてしまうというわけです。つまり大学としては第一志望として来てくれる生徒のほうが優秀な可能性があるので欲しいということです。

理由3:推薦が流行っている

新たな入試形態として、推薦入試が幅を利かせています。単純な偏差値勝負ではなく、入学への意気込みや高校での取り組みを重視する方式で、国公立大学でも増えています。親に重課金された学力だけ高い生徒ではなく、面接をして多様な学生をとりましょうというものです。面接部分で合法的に合否を決定できてしまうのでフェアな入試だと思えませんが、実際に導入が増えています。推薦入試は前期試験よりもさらに前に行われるので、入学確約の本物の第一志望」の生徒を集められるというわけです。

後期の枠を削って推薦に回すほうが、偏差値はそれほど高くなくてもやる気があり、しかも多様(地域、性別など)な学生が集まるという認識が大学に浸透してきているのかもしれません。

僕は東大の推薦合格者の紹介を見てほとんどが留学経験者だったのでがっかりしましたが。まあ偉い人がおっしゃるのならそういう入試方式もアリな時代なのでしょうか。これからは塾代よりも「社会的な活動」代に課金する親が増えるかもね。

理由4:シンプルに試験実施が負担

このように後期枠を減らしてくると、入学者数人を決めるためだけに厳正な入試を行うことになり、当然ながら大きな負担になります。問題を作って、会場を設営して(倍率は数十倍のことも)、不正のないように試験を受けさせて、正確に採点…。大変すぎます。ぼくが入った医学部でも、ほとんどの受験者は学力試験部分で落ちるのに、全員に面接試験を行っていました。それでもって試験当日欠席や入学辞退者も多く、大変だしやめちゃいたい!という感じかもしれません。

まとめ

後期に救われた一人として、後期試験は必要だと思います。このまま減少傾向が続けば東大ギリ落ち受験生の行き場がなくなってしまう。東大に落ちたら東大に準ずる大学には入れないという時代が来てしまいます。早慶に行くにはお金がかかります。いまのところ難関落ちミスマッチ多発の未来が見えてしまうのですが、まあ推薦入試自体が導入後そんなに時間がたっていないので、これから後期入学が再評価される可能性も含めて、注視したいと思います。