こんにちは。この記事では、Z会の英単語帳「速読英単語必修編(上級編)」の正しい使い方を2025年共通テスト本番でリーディング100点・リスニング95点をとった筆者が紹介します。速読英単語を買ったが使い方が分からない、2冊目の単語帳として買うかどうか迷っているという受験生の方に秘伝のノウハウを伝授します。
それでは。
速読英単語必修編とは
速読英単語必修編とは、通信教育のZ会が出している単語帳であり、2冊目の英単語帳として「鉄壁」や「DUO」と並び人気があります。書店の単語帳売り場に置いてる青いやつです。デザインからなんかかっこいいのです。(モチベーション面にプラス)
速読英単語が他の単語帳と大きく異なるのは、意味の順番に並べられた単語を粛々と覚えていく作業ではなく、「英文を繰り返し速読」して、生きた単語を覚えることに重点を置いていることです。例えばオオカミの子育てについての英文を読むと、「digs a hole」というコロケーションが登場します。次の単語ページには「dig」(掘る)や「hole」(穴)、その関連語として「gap」(空白)が記載されており、このように単語を関連付けることで効率よく単語を覚えることができます。
速単のうまみ
速単の何が優れているかといえば、「圧倒的な効率」です。クラスメイトに「効率厨」と呼ばれる僕が言うんだから間違いありません。
| 速単を使う | 速単以外 | |
| 単語を覚える | 英文と絡めて覚えやすい、入試出現語の95%をカバー | 並び順に覚えていくのが基本 |
| 定期的なリーディングの練習 | 速単で自動的にできる | 別の教材をやる必要がある |
| リスニング・シャドーイング | 音声をダウンロードできる | 別の教材をやる必要がある |
このように、本来別々の教材を購入してする必要がある勉強が速単1冊で完結し、しかもリーディングやリスニングを繰り返すことで単語を覚えていけるという、まさに一石三鳥を実現しているのです。英語は定期的に触ることが学力の維持に欠かせない科目です。速読英単語を使えばまとめて、そしてこまめに、感覚も知識もメンテナンスできます。
さらなるメリットとして、「そもそも英文の内容が勉強になる」ことも挙げられます。興味深いテーマなので教養として価値があります。
あなたは速単に向いているか
そんな素敵な理想に賛同し、速単を購入する方は僕のまわりにも多くいますが、実際には「続かない」と言って2日坊主くらいで終わってしまう方もいます。実は筆者も、高1で買ったものの1つ目の英文で挫折しました。速単はやはり2冊目の単語帳として良さを存分に発揮すると思います。僕の場合はLEAPである程度単語を頭に入れてから、高3になってやっと速単が楽しく読めるようになりました。そうなればしめたものです。とりあえず買ってみるのはいいですが、あまり自分には合わないと思うなら、一旦熟成させるか、いさぎよく別の単語帳を買いなおす判断も必要です。

速単の効率的な使い方
ということで本題に入ります。上に書いた通り、ある程度の英単語を頭に入れてから取り組むべきでしょう。単語1つ1つの解説の量はやはりLEAPや鉄壁には劣ります。1冊目の単語帳を一通りやってから、それを覚えるために使うというのが効率的でしょう。基本は英文を読む→単語ページを見るの繰り返し(全部で70回)です。当然1周するだけでは記憶の定着度と網羅性に抜けがありますので、目安は3周くらいするとよいでしょう。まとめてやるよりは、なるべく分割して1日3つなどと決めると効果が高く、継続しやすいです。
3周もすればほとんどの単語は覚わります。こうなると何も考えずに4週目に突入するよりは、まだ覚えていない単語のみを抜き出して、そちらを周回するほうが高効率になってきます。時々、覚えた単語に付箋を貼ったりチェックをつけて目印にしている方がいますが、それだと、「ページをめくり、チェックがあるかを確認して既に覚えた単語かどうか判定する」という作業が発生します。覚えた単語が多数を占めるようになるとこの無駄が大きくなってくるので、ここは少し時間を使ってでも自分用にまだ覚えていない単語の単語帳を作るべきです。
~作り方~
覚えていないor不安な単語とその意味をスマホのメモ機能に入力していく。ポイントは、紙ではなくデジタルで作っておくことです。そうすることで、後で追加や編集もしやすく、後に覚えた単語を削除していくことでより周回の効率を高めることも可能になります。

筆者の場合、3周した時点でこの作業に入り、抜き出した単語の数は524個となりました。ここまで減らせば、かなりの高速で周回することができます。入力時に誤りがあると元も子もないので注意して入力してください。iPhoneの場合、キーボードをなぞると入力してくれる機能が便利です。作業に時間はかかりますが、その後に高効率のボーナスタイムが待っています。まさに「急がば回れ」「損して得取れ」であります。あとはひたすらメモを周回してください。ふとスマホを触りたくなったときは「スマホで英単語をする」ことです。単語はこれで完璧になります。筆者は20周はしました。ただし速読力の維持のために時々でいいので速単を読むこと、また、音源をダウンロードして、覚えるくらいに聞くことがおすすめです。
上級編は必要か?
必修編の続きとして「速読英単語上級編」(緑のやつ)があります。これがどこまで必要かというと、これは志望校にもよりますが、もし必修編を終えたなら手を出してみてもいいと思います。共通テストレベルなら必修編まででも勝負になります。ただし、必修編でもなぜか載っていない割と有名な単語があり、上級編に回されていたりするので100点を取りたいならば手を出していいと思います。ただし共通テストで95→100に上げる必要はそんなにないと思うので、あなたが受ける2次試験の難易度次第です。シリーズ物の単語帳ですので、必修編と上級編の被りが少ないです。このようにレベル別に2冊に分割されているので、着実にlevelアップすることができるのも速単を選ぶメリットです。上級編になると単語も英文もグッとレベルが上がります。私はすべて覚えきるのは時間的にメリットが薄いと考え、2周してからは見出し語のみを抜き出して周回しました。よほど英語で高得点を狙っている場合でない限り、単語を深追いしすぎると時間対効果が低くなってくるので注意してください。
とりあえず必修編を使って、共テは余裕で読み切れるようにしていきましょう!


